路地裏に佇むアメ横の隠れ家的 名店 とんかつ まんぷく
とんかつ まんぷくの成り立ち
とんかつ発祥の地として知られている上野・アメ横エリア。この近隣だけでも10軒以上の店が立ち並ぶほどの激戦区。そんな場所から紹介するのは、アメ横の細い路地裏に位置する『とんかつ まんぷく』
発祥の地上野ということもあってその歴史は古く、遡ること昭和37年(1992年)創業の約60年以上も続く老舗とんかつ屋。
元々はとんかつ専門店という括りではなく、揚げ物は勿論ハンバーグ・スパゲッティー・カレーライスなどの洋食メニューも豊富な元祖アメ横の台所として地元の人々に親しまれてきた。時代の流れと共に少しずつ変化を重ねていきここ数年ではすっかりとんかつ屋としてお店を営んできたという。
そんな昔ながらのスタイルを貫いてきたお店も5年前に先代店主から息子の現店主に代変わりし、メニューの改良をキッカケに大きな変化を遂げることに。
先代からのスタンダートなメニューから一転、肉感たっぷりの超極厚ロースカツを考案。この試みが功を制し一躍ボリューミーなとんかつを提供する店として徐々に知名度が上がっていく。
お手頃価格でボリューム満点のとんかつが食べられる。そんな噂が広まり、『アド街ック天国』を皮切りに数々のメディアに取り上げられアメ横以外からもわざわざお店に訪れる激戦区上野・アメ横の代表店となり今に至るという。
お店のこだわり
まんぷくと言えば勿論極厚のロースカツが名物料理だが、ただ肉が分厚ければ良いという訳ではない。
一般的に肉が厚ければ厚い程上げ時間が掛かってしまう。火が通るにつれて豚肉はどんどん固くなってしまう。かといって揚げ時間が短いと、衣のサクサクとした食感も出ず肉本来の旨味が凝縮されない未完成な仕上がりになってしまう。
試行錯誤を繰り返し揚げ方を低温と高温と使い分けることに。
始めにじっくりと低温で豚肉の火を通していき頃合いを見てサッと高温で仕上げる。ただそれだけでは衣とぶ厚い肉のバランスがない為双方を選び直すことに。先代から懇意にしている精肉店から揚げ物によく合う豚肉を厳選。一つ一つの肉によって状態が変わってくる為、コスト面では割りに合わないが上質な料理を届けるために妥協は一切しない。そして揚げ物に欠かせない衣の要となるパン粉には、都内の有名店に数多く卸している『中屋パン粉』を使用している。
パン粉の粗さ、細かさによってとんかつの舌触り、味わいが変わってくる。まんぷくの厚みのある肉にマッチするように粗めのモノを採用している。料理に使用する食材一つにこだわりが垣間見える。
まんぷくのおすすめメニュー
お店の定番中の定番。元祖とんかつ定食(900円)
900円という低価格ながらも厚みがあり、1000円でお釣りがくる高クオリティーメニュー。この価格帯なら脂身ばかりなんてことはザラだが、口どけのいい脂身と、しっかりと肉質を味わえる安定感のある内容になっている。
まんぷくの代名詞 ロースカツ定食(1500円)
アド街ック天国を始め多くのメディアで取り上げられてきた看板メニュー
約4cmほどの超極厚ロースカツ。他店であれば3000円以上はする代物。この厚みからは想像出来ないくらい豚肉は柔らかく、一口かじると口全体に肉の旨味が広がるジューシーさ。程よい脂がまたご飯を進ませる絶品。じっくりと揚げるため他に比べ時間はかかるが、一度は食べるべきマストメニュー。卓上にはとんかつソース、ウスターソース、塩、醤油、など調味料も豊富に揃っているのでお好みで味変するもいいかもしれない。
ロースに絡む甘ダレとの相性が最高。ロース生姜焼き定食(900円)+目玉焼きトッピング(200円)
大きめのロース二枚に甘口の生姜ダレが満遍なくかかる人気メニュー。ご飯との相性は勿論、付け合わせのキャベツにも抜群にマッチする。常連のお客さんは目玉焼きトッピングをすることが多いという。タレに半熟の卵黄が絡みあい、よりマイルドな味わいになる裏技的な食べ方もオススメ。
今回紹介した他にもバリエーション豊富なまんぷくになれるメニューが数多い。現在も日々新メニューの開発に勤しんでいるため今後もアメ横のとんかつ屋として進化していくことだろう。是非足を運んで、『まんぷく』ならではのとんかつを堪能してもらいたい。