1949年開業、日本初のナイフ専門店「マルキン商店」
お店の歴史
戦後間もない1949年に一代目がアメ横の現在の場所に開業。様々な業種を経て、1960年代に刃物で有名な街であるドイツのゾーリンゲンの刃物専門店に。1970年に現社長がアメリカのナイフに影響を受けたことがきっかけで、現地から仕入れたアウトドアナイフを取り扱うようになった。その当時、日本でのナイフの販売は銃砲店などに少数のナイフが置いてあるくらいだった。そのような中で、1975年に日本初のナイフ専門店としてリニューアルオープン。
また、昔はナイフの鞘に革を使っているものが多かったため革製品も取り扱うようになった。現在でも主にアウトドア・ハンティング用ナイフ、レザーグッズを実店舗・オンラインで取り扱っている。
幅広い商品ラインナップ
マルキン商店では、国内外のナイフ、オリジナルの革製品、レザーグッズまで幅広く商品を取り扱っている。商品数は、約1,500以上。洗練されたシンプルなデザインのものから特徴的なデザインのものまで取り揃える。また、アメ横に店舗を構えていることもあり、ほとんどの商品は定価よりも安く販売しているという。
「TRION バッグ」
大阪に本社を構える企業。主に野球のグローブを作っている会社。こちらは、グローブの製作過程で出る細かい革の端材をパッチワーク状に加工したものを使用して作られたバッグ。
本革を使用しているが値段も比較的リーズナブルである。
長年の豊富な知識量
他の専門店との違いは、長い間店舗を運営してきたことで培った知識量である。日本代理店が取り扱う前から店頭に置いている「VICTORINOX」など昔からある商品は特に知識が豊富。その知識量は主に接客に活かされており、お客様との会話を通じて、ニーズに合った商品を的確に提案することが出来る。
おすすめ商品
「レザーフィールドセフィア コインケース」
マルキン商店のオリジナル商品。こちらは、ベルトに挟んで持ち運び可能なオイルドレザーのコインケース。一番の特徴は、こだわり抜かれたフォルム。同じサイズの革を二枚重ねて縫っても同じ形にはならない。外側と内側の革の形状も細かく調整しており、使い込むことで体にフィットする膨みが出るようにしている。他社には決して真似することのできないフォルム。また、革も様々なものを吟味して、丈夫で使い込むほどに経年変化で艶が現れ、味が出るレザーを使用している。
レザーフィールドセフィア
マルキン商店オリジナルブランド。中村英二氏と共同製作のオリジナルレザークラフトグッズを販売している。現在、約40~50アイテムほど店頭に陳列されている。
また、お客様の要望を取り入れた特注も行っている。
「ブッシュクラフト用ナイフ」
最近日本に進出したスペインブランド「JOKER」のブッシュクラフト用ナイフ。刃が肉厚で丈夫。従来のナイフはキャンプ・ハンティング用のデザインが多かったが、薪割りまでできるようなコンパクトな形状が近年の主流。そのようなトレンドを抑えたアイテムである。
「カスタムナイフ」
ハンドメイドの一点もの。
アンティークや絶版になったもの。
少数生産もの。
限定品。
コレクションしていた方が手放したセカンドハンズ。
マルキン商店では、多くの種類のカスタムナイフを取り扱っている。実用的というよりもコレクション用に購入される方が多い。カスタムナイフは、一本一本手作りで時間をかけて丁寧に製作するため、見た目が綺麗。さらに、作家オリジナルデザインや持ち手・刃の材質等、様々な部分にこだわりが詰め込まれているのが魅力だそうだ。
今後の展望
今後は、こだわった革製品を伸ばしていきたいそうだ。レザーフィールドセフィアをはじめ、他では手に入らない手作りのものもある。アウトドアの分厚い革の製品を取り扱っている店舗は多数あるが、サラリーマンでも使えるハードレザーの製品をより成長させていきたいそうだ。現在も一定数ファンがいて、一度使用すると他のものは使えないという方もいる。そのようなファンを今後も増やしていきたいそうだ。
板倉 忠臣
(株式会社 マルキン商店 営業部部長)
20歳の時、マルキン商店にアルバイトとして入社。大学卒業後、そのまま就職。40年近く勤めている。
お客様に合った良いものを提供することを常に心がけている。